沖縄のマンゴー農家が考える食品安全・HACCP(ハサップ)と沖縄の文化「島豆腐」
はいさい、ぐすーよーちゅーがらびら!
今回は沖縄のマンゴー農家が考える食品安全・HACCP(ハサップ)と沖縄の文化「島豆腐」と題してブログを更新したいと思います。
突然ですが、HACCP(ハサップと読みます)とはなんぞや?と思われると思いますので、まずはHACCPについて説明します(ハスカップ※じゃないよ)
※ハスカップは北海道で主に生産されているブルーベリーのような見た目の超栄養満点のフルーツです。
HACCP(ハサップ)とは
以下厚生労働省HPより引用します。
「HACCP(ハサップ)とは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。
この手法は 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。
難しい文言が並びますが、食品安全の世界基準と捉えてもらっていいかと思います。
沖縄の文化「島豆腐」とは
島豆腐とは沖縄で売られている豆腐になります。パックに入っている豆腐ではなく、いわゆる豆腐屋さんが売っているような手作りの豆腐のことです。各スーパーで普通に買えるようになっています。内地の方(沖縄県外の方)からするとちょっとびっくりかもしれないです。作りたて、あちこーこーで(熱々という意味です)とてもおいしいです。沖縄に観光に来た際は是非ホテルに持って帰って食べてもらいたいぐらいおいしいです。沖縄県民はこのあちこーこーの島豆腐を、豆腐チャンプルー、みそ汁、冷ややっこ、豆腐ステーキと毎日食べます。またゆしどうふという種類の豆腐もあり、こちらはスープで食べます。豆乳と豆腐が混ざっているような状態と言えば伝わりますでしょうか?
HACCP(ハサップ)の義務化とは?
令和3年6月1日にこのHACCP(ハサップ)の考え方が義務化され、いろいろな食品関係事業者に影響が出ています。
例えば大きい食品を扱う事業所ではこのHACCP(ハサップ)に基づいた計画を策定したり、小規模事業者(町の食堂、スナックやバー)でも記録や手順を定めないといけません。(現実問題どこまで小規模事業者がこの法律を遵守し、計画を策定・実行しているのか私にはわかりませんし、直ちに行政処分で営業停止となることは考えられませんが、食品関係事業者にとっては大きな法律改正となっています。)
HACCP(ハサップ)義務化について詳しくは厚生労働省HPへ
島豆腐とHACCP(ハサップ)
実は、令和3年6月1日にこのHACCP(ハサップ)の考え方が義務化された影響で、沖縄のスーパーの店頭で売っている「島豆腐」が危機にさらされています。
沖縄タイムス様の新聞記事に下記の内容のような記事がありました。
・沖縄独特の食文化である「あちこーこー」の島豆腐に、温度が55度を下回った場合には3時間以内に消費するか、冷蔵保存する衛生管理指針が適用される。
・小売り各社は31日までに、店頭に並んでから実際に消費されるまでの時間を考慮し、販売時間を従来より1~2時間短縮する方針
・豆腐製造業者も保温シートや保温剤を使って配送中に温度を下げないよう工夫し、継続販売に努める一方、スーパーでのあちこーこー島豆腐の販売をやめる事業者もいる
・55度を下回ると、腐敗の原因となるセレウス菌が増殖し食中毒のリスクが高まるため、国はあちこーこー島豆腐の衛生管理指針を定めた手引書を作成し、関係事業者に周知していている
このようにいつでも熱々の島豆腐が買えた時代は終わり、ある程度制限された状況下で豆腐を買わないといけなくなりました。豆腐じょーぐー(豆腐大好き)な父から豆腐が買えないと愚痴をこぼされたことがあります笑
農業とHACCP(ハサップ)
実は伊集農園で認証を受けたASIAGAP(アジアギャップ)はこのHACCP(ハサップ)の考え方が取り入れられています。(ASIAGAPについて知りたい方は下記のブログを是非読んでください。
伊集農園はASIAGAP認証を受けるために、HACCP(ハサップ)の食品安全基準を順守していることから、非常に手間のかかることをしています。世界的に見れば食品安全が農業者にも求められていると言うことです。農業者も食品を売っているわけですから、考えてみれば当然と言わざるを得ないかもしれないですが、今まで普通に農業を行っていた農業者からすると非常に大変です。
食の安全は非常に重要ですが、上述したとおり島豆腐という沖縄の文化が制限され、このまま廃れていくようであれば、悲しいことです。しかし時代も代わり消費者から食の安全が求められ、法律も変っていく以上、生産者側もこの文化を守りつつ消費者の安全も解決できる何かしらの対策を考えないといけないのかもしれません。
今回のHACCP(ハサップ)義務化について、農業者と水産業者には義務づけがされていません。それについてどう思われるか人それぞれですが、私は本来であれば農水産業者にも義務づけるべきだと思います。農水産業も立派な食品関連事業者です。
安全安心な農産物とGAP認証について で記載しましたが、私は無農薬は農薬を不使用だから安全とは思いません。理由としては無農薬の野菜を汚い手で出荷した農産物は明らかに安全ではないからです。有機・無農薬よりも私は出荷する際の農業者の手順や衛生管理、記録の方が重要だと思っています。今回のHACCP(ハサップ)改正についても何が安全か、どうしたら安全か、問題があった場合記録から問題の特定と改善ができるようになったものです。もちろんASIAGAP(アジアギャップ)もそうなっています。
沖縄観光で地元密着のスーパー巡りはどうですか?沖縄に観光に来た際はご当地スーパー巡りはいかがでしょうか?空港や国際通りには沖縄のお土産をたくさん売っていますが、地元の人が食べるいわゆる「B級グルメ」は地元に根ざした地域密着型のスーパーにあるものです。イオンやマックスバリュなどの全国展開しているスーパーもありますが、「サンエー」、「かねひで」、「ユニオン」、個人的にはJA沖縄が経営しているAコープも県産品が買えていいと思います。野菜、果物、お肉、お魚、調味料やお菓子コーナーにも絶対新しい発見がありますよ。是非沖縄のスーパーで「島豆腐」も探して食べてみてください^^
参考
沖縄の農園からマンゴーを直送|伊集農園(いじゅのうえん)
伊集(いじゅ)農園は沖縄県本島の八重瀬町でマンゴーを栽培しています。真っ赤に
染まった秀品(Aランク)は、贈答やプレゼントにおすすめです。ご自宅用に人気の手ごろな
お値段の品も用意しております。また日本で初めてマンゴーで国際水準の安全認証
AISIAGAPを取得しましたので、おいしい国産マンゴーを安心して食べていただけます。
屋号 | 伊集農園 |
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住所 |
〒901-0504 沖縄県島尻郡八重瀬町字後原1133-2 |
営業時間 | 18:00~21:00 |
代表者名 | 伊集 守康 (イジュ モリヤス) |
info@iju-mango-okinawa.com |