沖縄のマンゴー農家が考える日本の農産物と貿易問題~FTA・EPA/TPP/RCEP part1 関税とは何か
はいさい、ぐすーよーちゅーがらびら!
本日は沖縄のマンゴー農家が考える日本の農産物と貿易問題~FTA・EPA/TPP/RCEP part1 関税とは何か題してブログを更新したいと思います。
みなさんは関税という言葉を聞いたことがありますでしょうか?またTPPやRCEP、FTAやEPAという言葉を聞いたことがありますでしょうか?まずは言葉の定義から説明したいと思います。
1 関税とは何か
関税とは
「関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきましたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されています。」
財務省 税関のHPより抜粋
2 なぜ関税があるのか
国内産業を保護することが現在の第一の目的となっています。外国からの輸入品が日本国内の同一品より著しく安い場合、日本国内産業が衰退してしまいます。関税が課され輸入品の価格にその分上乗せされることにより、国内産業を守ることに繋がります。
みなさんスターウォーズをご覧になったことがありますでしょうか?スターウォーズの戦争の始まりは関税によrる貿易戦争が発端です。前アメリカ大統領であるトランプ大統領が中国とバチバチやっていましたが、トランプ大統領はタリフマン(関税男)と呼ばれていましたね。関税というのは非常に国と国の貿易にとって重要なものとなっています、
加えもう一つの目的として国の税収の為という理由もあります。2019年度(令和元年度)決算では、国の歳入額(約109兆円)内、税収は60兆円でした。税関で徴収した関税は、その内約 9.4 兆円に上ります。割合では1.56%と小さいですが、貴重な税収となっています。
3 FTA・EPA/TPP/RCEP 何が違うのか?
① FTA(Free Trade Agreement 自由貿易協定)
特定の国や地域の間で,物品の関税やサービス貿易の障壁等を削減・撤廃することを目的とする協定
外務省HPより抜粋
簡単に説明すると特定の国(二国間)関税を撤廃ないし関税を下げて貿易を活発化しましょうという協定です。
② EPA (Economic Partnership Agreement 経済連携協定)
特定の国や地域の間で貿易の自由化に加え(FTA),投資,人の移動,知的財産の保護や競争政策におけるルール作り,様々な分野での協力の要素等を含む,幅広い経済関係の強化を目的とする協定
外務省HPより抜粋
簡単に説明するとFTAが関税撤廃を目標としたのに対して、EPAは特定の国(二国間)投資や人の移動(働き手)知的財産の保護等も活発化させましょうというものです。
③ TPP(Trans-Pacific Partnership 環太平洋パートナーシップ)
太平洋パートナーシップ(TPP)協定とは、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国及びベトナムの合計12か国で包括的な、バランスの取れた協定を目指し交渉が進められてきた経済連携協定です。現在までに、メキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、ベトナムの7か国が国内手続を完了した旨の通報を寄託国ニュージーランドに行っており、2018年12月30日に発効しました。
経済産業省HPより抜粋
簡単に説明すると、EPAは二国間でしたが、二国間だと非効率なので多国間でやりましょう!というものです。
④ RCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership (アールセップ)、東アジア地域包括的経済連携)
ASEAN10か国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)、日本、中国、韓国、豪州及びニュージーランドで行う経済連携協定です。既に署名済みですが発行はまだ行われていませんが、2020年に署名しました。一般的に経済連携協定は署名後1年以内に発効されることが通例ですので、2021年度内に発効されるのではないかと思われます。
4 日本と経済連携協定を結んでいる国はどこ?
前述しましたとおりTPPとRCEPについては上記の国々と貿易や投資、人の動きが今後国の発展の為に盛んに行われるでしょう。
では、日本とFTA・EPAを二国間で結んでいる国はどこでしょうか?
- 発効済
- シンガポール 2002年11月発効
- メキシコ 2005年4月発効
- マレーシア 2006年7月発効
- チリ 2007年9月発効
- タイ 2008年7月発効
- インドネシア 2008年7月発効
- ブルネイ 2008年7月発効
- ASEAN全体 2008年12月発効
- (シンガポール、インドネシア、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、ラオス、カンボジア、ミャンマー、タイ、マレーシア、ブルネイ、タイ、カンボジア)
- フィリピン 2005年4月発効
- スイス 2009年9月発効
- ベトナム 2009年10月発効
- インド 20011年8月発効
- ペルー 2012年3月発効
- オーストラリア2015年1月発効
- モンゴル 2016年6月発効
- EU 2019年2月発効
- 米国 2020年1月発効
- 英国 2021年1月発効
現在交渉中が三カ国
- トルコ、コロンビア、日中韓
とのことです。
(外務省HPより引用)
既にたくさんの国と協定を結んでいることがわかります。
5 輸入大国日本
既にたくさんの国々と協定を結んでいる日本ですが、前述したとおり関税を下げて貿易を活発化しましょうという協定がFTA・EPA/TPP/RCEPの趣旨となっています。日本の産業をたくさん輸出するために、海外からもものをたくさん輸入しなければならないことになります。特に生産性の低いものが海外から輸入されやすく、生産性の高いものが海外に輸出されます。日本だと特に農業分野の生産性が低いので、農産物について輸入されることが多く、自動車等の工業製品が輸出されることとなります。
ここで注目してもらいたいのが、実はまだ韓国と中国とは経済連携協定が結ばれていません。(正確にはRCEPの発効待ち)
みなさんは日本のイチゴやシャインマスカット、サツマイモが不正に韓国、中国に持ち出され、生産され、世界シェアを奪われていることをご存じでしょうか?今後韓国、中国がその不正に栽培した農産物をあたかも自分たちが開発したかのように輸出し、日本に安価に入ってきて日本の農業を脅かすことは非常に日本の農業者の意欲を削ぐこととなります。RCEPが発効した際に、日本の農業にどう影響を与えるのか非常に注目しています。
さて、先日日本のマンゴーの輸入量と輸出量についてで、マンゴーの日本の輸入量ランキングを作成しましたが、1位メキシコ、2位タイ、3位ペルーの順でした。その三カ国とも日本とEPAを結んでいる国となります。こうなると、マンゴーの関税がいくらなのか気になりますよね。そのほか日本に輸入される農産物にいくら関税がかかってくるのか、次回関税の種類について更新したいと思います。
それでは、またやーさい。
参考
沖縄の農園からマンゴーを直送|伊集農園(いじゅのうえん)
伊集(いじゅ)農園は沖縄県本島の八重瀬町でマンゴーを栽培しています。真っ赤に
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AISIAGAPを取得しましたので、おいしい国産マンゴーを安心して食べていただけます。
屋号 | 伊集農園 |
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住所 |
〒901-0504 沖縄県島尻郡八重瀬町字後原1133-2 |
営業時間 | 18:00~21:00 |
代表者名 | 伊集 守康 (イジュ モリヤス) |
info@iju-mango-okinawa.com |